1.歯ぎしりやくいしばりについて
歯ぎしり・くいしばりの主な原因となるのは以下の4つになります。
◇ストレス…大多数がこのケース。
◇習慣…スポーツ選手などの瞬発的に力を出すような職業についている人の場合に、くいしばりが習慣化してしまっているケース。
◇噛み合わせ・骨格…噛み合わせの異常や顎の変位、金属製の詰め物が合っていないなどが原因でおきるケース。
◇こども特有のもの…永久歯と乳歯の入れ替え時期におこる不快感などが原因でおきるケース。
原因として圧倒的に多いのが精神的なストレスや不安が原因の歯ぎしり・くいしばりです。また、歯ぎしりは子供にもよく見られますが、乳歯が永久歯に生え変わる時期に関係していることが多いと言われています。生え立ての歯で、顎の位置を決めるために一時的に発現しているものと考えられており、これは歯の生えかわりや骨の発育に必要なもので、ほとんどの場合自然に治ります。
歯ぎしりを起こす詳しいメカニズムは未だはっきり分かっていませんが、日中の強い精神的ストレスや肉体疲労を、夜間睡眠中の歯ぎしり・食いしばりという形で解放し、心身のバランスを保っているのではないかと考えられています。
歯ぎしりの影響として以下のような症状や問題が起こることがあります。
◆歯の摩耗・割れ
長期間にわたる歯ぎしりは、歯の表面を摩耗させたり、歯科治療で入れたセラミックなどの被せ物が割れたりする可能性があります。
◆歯の感度
歯の表面が削られることによって、歯の神経への刺激が増加し、歯の感度が高まる可能性があります。冷たいものや甘いものがしみたり、歯ブラシの時の刺激で痛みが出現し、知覚過敏症になることがあります。
◆顎関節症
歯ぎしりが顎の関節に負担をかけ、顎関節症の症状を引き起こす可能性があります。
◆歯の周りの組織への影響
歯周病が悪化する可能性があります。嚙み合わせによる過度な力は、歯肉や歯を支える骨に負担を与え、歯周病を進行させます。
このように様々な影響が考えられますが、上記にあるように原因で一番多いのはストレスです。歯ぎしりを改善したくても、ストレスを日常生活から完全になくすことは、実際問題不可能です。そのため、歯ぎしりやくいしばりによる歯や顎への負担を軽減するために夜間睡眠中専用の「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースを装着することを薦めております。マウスピースは歯ぎしりや食いしばりの予防のほか、格闘技や主に激しいスポーツ(選手間に接触があるスポーツ)による衝撃からの保護や、歯列矯正・ホワイトニングなど様々な用途で使われています。