2.乳歯のむし歯の特徴
乳歯のむし歯について、お母様に知っておいていただきたい特徴がいくつかあります。
①年齢によりむし歯になりやすい部位がある
1~2歳までは汚れが溜まりやすい上の前歯がむし歯になることが多いです。しかし、2~3歳頃になると、奥歯まで歯が生え揃ったり、食事が普通食になるなど、奥歯で噛むことが増えるため、奥歯の噛み合わせのところにむし歯ができやすくなります。特に奥歯の歯と歯の間は詰まっているので、デンタルフロスを使わないと汚れが残ってしまうことが多く、むし歯になりやすいです。しかも、見た目にはむし歯があるか分かりづらいため、むし歯が進行していても気づくのが遅れ、突然穴が開いてしまいます。歯医者でレントゲンを撮って初めて気づくことも多いむし歯になります。
②乳歯のむし歯は白く、見た目で判断しにくい
永久歯のむし歯の色は、茶色や黒色であることがほとんどです。しかし、乳歯のむし歯は白色の場合が多く、むし歯になっても見た目でむし歯と判断するのが難しいことがあります。歯が白くても表面がザラザラしている場合は、むし歯になっている可能性が高いと考えましょう。
③痛みを感じにくいためむし歯の進行に気づきにくい
こどもは痛みに対する感覚が未熟であるため、大きなむし歯があっても痛みを訴えることが少ない傾向にあります。そのため、気付いた時にはむし歯がかなり進行している場合があります。こどもの場合は、むし歯の痛みを感じるよりも、むし歯で穴が開いて、そこに食べカスが詰まって歯ぐきが腫れて痛い場合が多いです。痛みは出たり、引いたりしますので、こどもが痛いと言っても、次の日には治ってしまい、見過ごされてしまうことがあります。食べ方や仕上げ磨きの時に小さな変化を見逃さずに、観察してあげることが大事です。
④乳歯のむし歯は食事の変化で進行が早くなる
こどもは発達するにつれて味覚が変わっていきます。母乳、離乳食、おやつなど食事内容が変化するにつれ、味覚が発達し、経験によって味を覚えていきます。おやつなど甘いものを覚えていくと、甘いものの量が増え、歯を溶かすスピードも速くなり、乳歯のむし歯の進行が早くなります。
⑤乳歯はエナメル質がうすい
歯の表面は体の中で一番硬いエナメル質で覆われています。むし歯の原因菌であるミュータンス菌が酸を産生し、このエナメル質を溶かすことでむし歯になります。乳歯のエナメル質は厚みが永久歯の半分程度しかありません。そのため、乳歯は永久歯よりむし歯になりやすく、むし歯の進行が早い傾向にあります。
お口の中では食事の度に歯が溶ける(脱灰)と溶けた歯を戻す(再石灰化)を繰り返しています。むし歯がエナメル質内であれば再石灰化で治る可能性があります。しかし、その下の柔らかい象牙質まで入るとむし歯は一気に広がってしまいます。
⑥乳歯はむし歯になると神経までの進行が早い
乳歯は神経が大きく、エナメル質と象牙質の厚みが薄いため、むし歯になると直ぐに神経まで進行します。乳歯は永久歯と生え変わりを行う時に神経があることによって乳歯の根を溶かし永久歯との生え変わりをスムーズに進めます。そのため乳歯の神経は大きく、むし歯になるとすぐに神経まで進んでしまいます。
⑦永久歯の歯並びに影響する
むし歯が原因で乳歯が早く抜けてしまうと、抜けた乳歯の隙間を埋めるように隣の歯が傾いてきます。隣の歯が傾くと、永久歯が生えるスペースがなくなり、斜めに生えてしまう原因になります。